第2回日本APNシンポジウム
APNコミュニティー確立への第一歩 〜moving forward 〜
7月13日 東京 アワーズイン阪急
プログラム
朝倉 由紀
Clinical Nurse Specialist
演題: 米国で高度実践看護師(APRN) の活用が拡大したワケから学ぶ
米国ではAPRN養成は1960年代にはすでに行われてきたが、その雇用は最近20年間で4倍以上にも増加しています。また、看護がその専門性を発揮してきた背景には患者のアウトカムの向上を目的とするエビデンス・ベースド・プラクティス(EBP)とプロトコールの積極的な活用が貢献しています。講演ではこのような背景と、急性期病院でのAPRNの活動の実際と Clinical Nurse Specialist (CNS)として緩和ケア・プログラムを拡大してきた経緯について紹介します。
押尾 祥子
Nurse-Midwife, Psych-Mental Health Nurse-Practitioner
演題:APNを受け入れてもらうためのコミュニティ作り
私の経験してきた資格認定プロセス、教育機関の標準化、州ごとの職権拡大、医療過誤保険、健康保険の支払い妥当化、病院入院権の獲得、クライアントの力、などの逸話をお話しながら、APNとして機能する環境をつくるためには、多方面との連携が必要、そのために力を収束して目標に向けて努力する態勢と文化を育てる必要があることを説明したいと思います。
キャンター めみ
Surgical Oncology Physician Assistant
演題:米国のフィジシャン アシスタント (PA) とは?
米国でPAが誕生した由来、医療界での役割、米国でのNPとPAの違い、教育のプロセス、具体例として演者の仕事内容、そしてどのように自分のポジション・役割を開拓してきたか、そして最後に米国PAの未来/課題についてお話ししたいと思います。
パネルディスカッション
パネラー:朝倉由紀、押尾祥子、野々内美加、伊東Rubinめぐみ、キャンターめみ
座長:木村千尋、實取直子
討論内容:APN の本質とEBP
朝倉 由紀
Clinical Nurse Specialist
WS演題:Clinical Nurse Specialist (CNS)が実力を発揮できるための方策を立てよう!
このワークショップでは午前中の講演内容を踏まえたうえで、急性期病院でCNSとして活躍している実例を更に紹介します。これを通して日本での高度実践の将来の方向を明らかにすることにより、具体的な方策を立てられることを目指します。これにあたって必須のEBPと実践について、理解を深めていきます。現在活躍するAPN の成功の秘訣や患者のアウトカム評価との関係性なども学び、APNとして実際活用できる方策を参加型で学ぶワークショップになります。
押尾 祥子
Nurse-Midwife, Psych-Mental Health Nurse-Practitioner
WS演題:敵をつくらず、いろいろな立場の人を引き込んでAPNの職能を確立していく
それぞれの現場で、いろいろな課題があると思うのですが、誰が、どの職種が、どんな理由でAPNの確立に反対するのかを理解し、利害の共通点を探って、解決策を一緒に追及していく方法を考えたいと思います。日本では、すでに独立開業権を法律で保証されている助産師が一番ナースプラクティショナーの一形としてテストケースになることができると思います。
野々内 美加
Family Nurse Practitioner
WS演題:患者層を把握してAPNの使命を明確にする
ミクロとマクロのケアの違いを明確にしAPN対象患者層の理解を深める。それにより患者層のニーズの把握と組織への利権を明らかにする。患者層を理解するための医療統計の使い方も含む。積極的な参加型の形式で学びを深める。参加者は演者著の「高度実践看護師の役割開発と活動領域の拡大を目指して『PEPPAフレームワーク』の活用のすすめ」医学書院、看護管理、2019年2月号、の精読が必須。