March 6 (Sat)
Zoom Open 8:15
Opening Remark 8:30 by Mika Nonouchi
March 15 (Sat)
座長:奥朋子 がん看護専門看護師
Zoom Open 7:45
8:05 - 8:25
野々内美加 (ののうちみか)
Family Nurse Practitioner
Calgary Opioid Dependency Program, Recovery Alberta, CANADA
一般社団法人 日本APN後援会
代表理事
Opening Remark
基調講演
APN(Advanced Practice Nurses) が高める医療の価値 ~求められるアウトカム~
8:25-9:25
宇野さつき (うのさつき)
がん看護専門看護師
ファミリー・ホスピス神戸垂水ハウスホーム長
新国内科医院 顧問
1990年 千葉大学看護学部看護学科卒業
2005年 兵庫県立看護大学大学院看護学研究科修士課程修了。
2006年 がん看護専門看護師認定
子育てをしながら、未熟児から高齢者、病棟、外来、教育現場、在宅医療と様々な場で働く
2006年2月~2020年3月 新国内科医院 看護師長(現在は顧問)
2020年4月~ ファミリー・ホスピス株式会社に所属
2021年6月~ ファミリー・ホスピス神戸垂水ハウス ホーム長
2017年 佐川財団SGH看護特別賞受賞 2019年兵庫県看護功績賞受賞
演題「自分らしく生きる・暮らす」を支えるためのAPNの役割
患者が病気や障害を持ちながらも、地域の一市民としての療養生活をより安心・安全に過ごせるように支援するためには、医療の専門的な関わりは欠かせない。患者自身が何を大切にし、どこでどのように暮らしたいのかなど、患者の望むアウトカムを改善するには、医療の役割はほんの一部に過ぎないが、重要な役割を担っていると考える。病院や施設での非日常の場での関わりとは異なり、病気や障害のことだけでなく、患者の日常生活にまつわる様々な状況も踏まえ、包括的に対応することが求められる。あくまでも主役は患者自身であり、医療者の「善かれ」や「こうあるべき」を押し付けてはならない。医療者が患者の生活や人生をコントロールしてはならないが、かといって患者への影響力は大きく、関わる側としてのジレンマを生むこともある。この度のシンポジウムでは、地域でOCNSとして活動してきた経験を踏まえ、皆様と共に地域におけるAPNの役割について検討したい。
Break 9:25- 9:35
9:35-10:35
永谷 創石(ながたにそうせき)
診療看護師(NP)
帝京大学医学部附属病院外傷センター/帝京大学医学部整形外科学講座
診療看護師(NP)の大学院プログラムを修了し、2017年に診療看護師(NP)資格を取得。東京ベイ浦安市川医療センターにて診療看護師卒後研修プログラムを修了し、練馬光が丘病院の総合救急診療科/集中治療部門に所属、5年間集中治療領域で活動。その後、帝京大学医学部附属病院外傷センターへ異動。現在は整形外科領域の周術期管理を中心に活動している。
演題:患者経験価値(Patient eXperience:PX)に関する高度実践看護師の役割
現代医療の指標はなにか。2014年に患者中心の医療および医療の持続可能性を考慮した医療の5つ指標(The Quintuple Aim)が提唱された。指標の1つに「患者経験価値(Patient eXperience:PX)」がある。PXは「一連のケアを通じ、患者に単発的あるいは集団的に起きる事象」と定義されている。これは患者がケアプロセスで何を経験するかということであり、その経験は患者の行動に大きな影響を与える。
PXは患者と医療者従事者間との関係や患者中心性に関わる主観的な質指標と言われており、その評価は患者が主体である。APNとして患者のケアプロセスにどう関わっていくか、それをどのように評価していくか、PXは大きな指標となり得る。PXの向上にどのように取り組むか、その内容や考えられる障壁を整理し、皆様と考えていきたい。
Break 10:35- 10:45
10:45-11:45
新津 晃右(にいつこうすけ)
精神科ナースプラクティショナー・Assistant Professor
ワシントン大学看護学部
千葉県船橋市出身。専修大学松戸高校在学中に、高校が主催する夏休みを利用した米州立ネブラスカ大学(専修大学の姉妹校)での語学研修に参加。高校卒業後、ネブラスカ大学へ進学、生物科学を専攻。留学経験を通してアメリカの看護師の多様な働き方に感銘を受け、ネブラスカ医科大学で看護学を専攻することを決意。卒業後は、ネブラスカ州にある精神科病棟でRNとして勤務し、ネブラスカ医科大学院で精神科ナースプラクティショナーの修士号を取得。さらに同大学院で精神看護学の博士号を取得後、コロラド医科大学院でポスドクを修了。同時に、コロラド医科大学の大学生を対象に精神科ナースプラクティショナーとして勤務した。2019年から現在までワシントン大学看護学部でAssistant Professorとして勤務する傍ら、同大学のカウンセリングセンターで精神科ナースプラクティショナーとして働き、大学生のメンタルヘルスを支えている。
演題:精神科ナースプラクティショナーによる大学生のメンタルヘルスケア
勉学に励んだり友人と夢を語りあったりと楽しいはずの大学生活。その一方で、将来の不安に悩んだり経済面で苦労したりと、決して楽しいことばかりではないのが大学生の現実です。今回のシンポジウムでは、米国の大学で教員を務める傍ら、大学のカウンセリングセンターで精神科ナースプラクティショナーとして、大学生・大学院生のメンタルヘルスを支えてきた活動のプロセスとそのアウトカムをご紹介致します。私たち看護師は、発病してから治療することの大切さに加え、早期発見そして予防することの大切さも深く理解しています。しかし、医療従事者として他人を助ける前に、まずは自分自身をケアしなければならない大切さはつい忘れがちです。不安や緊張、抑うつなどの症状に対して精神科ナースプラクティショナーとして薬物療法やカウンセリングを行う診療(発病してからの治療)に加えて、看護教員として授業を通して看護学生のメンタルヘルスやウェルビーイングの向上を計る取り組み(早期発見・予防)なども報告する予定です。学生時代にセルフケアなどの知識やストレス対処スキルをしっかり身につけることにより、長い目でみると例えば看護師の離職率の減少や燃え尽き症候群の予防といったアウトカムに繋がることができれば、何よりの喜びです。
Closing 11:45-11:50
Break 11:50- 12:00
Zoom
Networking
12:00-12:30
The
March 16 (Sun)
座長:濱嶋夕子 AGNP-C, AOCNP
Zoom Open 7:45
08:05-09:05
橋本 スティーブン(はしもとすてぃーぶん)
FNP, DNP, NSN
MHSU Burnaby Primary Care/OAT clinic, CANADA
1996年より、バンクーバーでRNとして高齢者医療に携わる。2006年ブリティッシュコロンビア大学看護科学修士課程NPコースを卒業後、主に精神科領域におけるプライマリーケア領域でNPとして実践。現在は、精神科外来でプライマリーケアとオピオイド使用障がいの治療に専念しながら、臨床のQIやリサーチをにも取り組む。2023年レジス大学実践看護学博士課程(DNP)修了。2025年からは同大学の看護学研究・看護教育博士課程(Ph.D)に入学予定。
演題:臨床学識と高度実践看護師の医療への貢献
近年における社会の複雑化、国境を超えた人の移動、パンデミック、また、気候変動における新たな健康問題の出現などは、看護や医療に大きな影響を与えるようになった。それに伴い、看護職はますます高度な知識を習得し、複雑化した医療問題に取り組むことが強いられている。特に高度実践看護師は、常に質の高いケアを提供できるプロフェッショナルとしての期待があり、北米ではすでに大きな活躍を遂げている。プレゼンテーションでは、まずボイヤーの臨床学識モデルになぞらえ、高度実践看護師の役割を考える。その後、具体的なクオリティー・インプルーブメント(QI)の例を紹介する。看護職のQIへの取り組みは、クライエントのアウトカムだけではなく、医療運営、健康政策、教育、研究の分野においても大きな貢献になるであろう。またそれは、医療や看護の臨床学識を高め、高度実践看護師のひとつの方向性としての可能性を大きく示唆している。
Break 09:05- 09:15
09:15-10:15
入江 佳子(いりえよしこ)
がん看護専門看護師・緩和ケア認定看護師
虎の門病院 看護部
一般病院、看護学校、大学病院勤務を経て、2024年より虎の門病院勤務。緩和ケアチーム、がん患者の意思決定支援や心理サポートなどに従事する傍ら、がん看護教育の企画運営に携わっている。外部活動では、がん関連学会の委員や医療系企業のアドバイザー、Japan Team Oncology Program(J-TOP)メンター、一般社団法人Cancer X理事として、医療従事者や一般に向けた教育啓発活動に携わっている。
演題:APN が高める医療の価値〜求められるアウトカム~
がん看護領域での実践
がん患者は増加の一途を辿り、がん治療やケアは益々複雑化し、臨床看護師が担う役割は大きい。がん領域の高度実践看護師として、質の高い看護実践を行うために、自身の高度実践のみならず、診療報酬算定への貢献や多くのがん診療に携わる看護師の質向上やスキルアップに働きかけ、介入の評価を行うことが求められる。また、多職種チームを機能させ、複雑な患者のニーズに応えられるリーダーシップをとれることも、大きな役割のひとつといえる。
これらの活動のアウトカムとして、実践介入件数、時間、病院収益などの量的向上はもちろんだが、患者満足度の向上、リスクの減少などにも着目した、質的改善も求められるだろう。
そのためのデータ集積の工夫や、Quality Indicatorに関する取り組みなどについて議論したい。